ダウナーちゃんは死にたがり

頬杖をついて、ぼーっと黒板を眺める。

文化祭か……。

一致団結。

なんかを煩わしく感じてしまうひねくれた自分が顔を出すからか、

こういう熱い行事は、昔から苦手だった。

みんなで一つの目標に向かって頑張って、盛り上がって。

そういうのを否定するつもりはさらさらないし、バカにするつもりもない。

ただ、俺には向いていないというだけ。

我ながら根暗だな......。

まぁ、無難に裏方一択だ。

そう考えながら、ふと相馬のほうへ目線を向けた。

窓の外を眺める横顔。

長いまつげが伏せられていて、アッシュグレーの髪が窓から差し込む光に淡く透けている。

―――綺麗だ。

ふと、そう思った。

それと同時に、どこか儚いとも思う。

……まぁ、本人はそんなこと微塵も気にしていないんだろうけど。

ふっと息を漏らす。

(…………現実逃避してるし)

さっきから配役決めの話が聞こえているのに、完全に我関せずだ。

こうして見ると、ジュリエットは相馬に適している気がする。

なんとなく、だけれど。

「相馬さん、ジュリエットとか似合いそうじゃね?」

教室のどこかからそんな声が聞こえた。

ほら。

案の定、名前が出た。

俺はちらりと相馬を見る。

本人は聞こえているのかいないのか、相変わらず窓の外を眺めていた。

……たぶん、相馬のことだから、

「裏方がいい」

とか言うんだろうな。

俺もそうするつもりだし。

ふーっと深く息を吐くと、眼鏡のフレームを上げて軽く伸びをした。