ダウナーちゃんは死にたがり

六時間目。

教室の空気は、どこか落ち着かなかった。

「お化け屋敷やりたくね!?」

「いや普通にカフェでしょ」

「劇は? 王道じゃん」

そんな声が、教室中を飛び交っている。

文化祭。

一年でいちばん“青春”っぽい行事。

今はその出し物ぎめの真っ最中だ。

担任が黒板を叩く。

「はいはい静かにー。

とりあえず案出して、多数決な。」

けれど、生徒たちの熱は簡単には収まらない。

伊織は窓際の席で、頬杖をつきながらぼんやりと外を見ていた。

空が白い。

眠くなる色だなぁ、と思った。

正直、文化祭にそこまで興味はない。

クラス全体が盛り上がっているけれど、それもどこか遠く感じる。