「.....贅沢な悩みだ〜とか、⾔わないんだね。」
静かな声。
「俺もマトモじゃないからね。未成年喫煙者だし。
そんな模範的な回答を期待してたならお⽣憎。」
そう⾔って、亮哉はふっと⽪⾁な笑みを浮かべた。
「ううん.....むしろ、ありがたいかな。もう聞き飽きてたから。
上っ⾯だけの綺麗事は。」
伊織は⼿の上で転がしていた煙草をぐしゃっと握る。
何も写していないようなその瞳を⾒つめた亮哉は、深い溜息をついた。
「誰だってあるだろ、死にたいって思う時は。
それを実⾏に移す勇気があるかないかの違いだ。」
それを聞いた伊織は、ふっとおかしそうに笑うと、亮哉の⾜元に
落ちているタバコを⾒つめて⾔った。
「死ぬのに勇気、って......変なの。
あ......煙草のポイ捨て、駄⽬なんだ〜。」
間延びしたような、ゆっくりとした声。



