伊織はぽつりと言った。 「宇野くんがいなかったら、たぶん昨⽇死んでた。」 「そう。」 「⽌めなかったくせに。」 「⽌めないけど、今更いなくなられると困る。」 その⾔葉に、伊織の⼼臓が⼩さく鳴る。 「……なんで。」 亮哉は少しだけ考えて、 「話し相⼿、いなくなるし。」 それだけ。 伊織は⽴ち⽌まる。 「それだけ?」 「それだけ。」 数秒、⾒つめ合う。 街灯の下。 伊織はほんの少しだけ、⽬を細めた。 「でもまぁ……充分か。」 ⼩さな声。