⻘信号に変わる。 でも⼆⼈は、少しだけ動かない。 亮哉はポケットに⼿を突っ込んだまま、⾔う。 「じゃあさ。」 「ん。」 「今年⼀年、俺に頂戴。」 伊織がゆっくり視線を落とす。 「……なにそれ。」 「⼀年レンタル。」 「物じゃないんだけど。」 「死ぬならいくらでも予定空いてるだろ。」 伊織は数秒黙って、それから⼩さく笑った。 「強引。」 「嫌?」 「……ちょっと、ずるい。」 「ずるい男はモテるんだって。」 歩き出す。 夜⾵が⼆⼈の間を抜ける。