「……宇野くん。」 「ん。」 「今⽇、⽣きるの⼿伝ってくれてありがと。」 寝ぼけた声。 でも、冗談じゃない響き。 亮哉の喉がわずかに動く。 「別に。何もしてないし。」 「……屋上、付き合ってくれた。」 「それだけだけど」 「それがいいの。」 伊織は、ほんの少しだけ笑った。 眠りに落ちる直前みたいな、淡い笑み。 亮哉は視線を逸らす。 ⻄⽇が伊織の髪を透かして、 やけに儚く⾒える。 ――消えそうだ。 無意識に、亮哉は伊織の肩を軽く揺らした。