「……相⾺。」 「……なに……」 ⽬を閉じたまま。 「結局、今⽇も死ななかったな。」 数秒の間。 それから、うっすら⽬が開く。 眠たげな⿊⽬が、焦点の合わないまま亮哉を捉える。 「……うん。」 「俺のおかげ?」 「……半分くらいは。」 また⽬を閉じる。 亮哉はその横顔を⾒つめたまま、ぽつりと。 「ちゃんと寝ろよ。」 「……寝てるじゃん……」 「そういう意味じゃなくて。」 伊織は少しだけ顔の向きを変え、亮哉の⽅に頬を向けた。 距離が近い。