* * * 放課後。 教室の喧騒はすっかり消え、 残っているのは机を運ぶ⾳と、遠くの部活の掛け声だけ。 ⻄⽇が窓から差し込み、教室の半分を橙⾊に染めている。 その光の中で―― 伊織は、机に突っ伏したまま、ぴくりとも動かなかった。 腕を枕にして、横顔を半分隠すように眠っている。 ⻑いまつげが影を落とし、呼吸は浅く、静かだ。 イヤホンは⽚⽿だけついたまま。 ⾳楽は流れていないようだ。 「……ガチ寝じゃん。」 教室の後ろの扉にもたれていた亮哉が、ぽつりと呟く。