⾵が⽌む。 静寂。 伊織の⼼臓が、ほんの少しだけ重く鳴る。 「……それ、ずるい。」 「なにが」 「私が消えても、ちゃんと残るみたいに⾔うの。」 亮哉は肩をすくめる。 「残るでしょ、普通に。」 当たり前みたいに⾔う。 その無遠慮な肯定が、伊織の胸の奥に⼩さな釘みたいに刺さる。 消えても、残る。 ⾃分が。