ダウナーちゃんは死にたがり


亮哉は視線を空に向けたまま答える。

「そのまんま。

相⾺が死ぬ瞬間、どんな顔するのか気になるなーって。」

伊織は少しだけ⽬を⾒開いた。

怒るでも、悲しむでもない。

ただ、純粋な興味みたいな表情。

「……やっぱ悪趣味。」

「だから知ってるって。」

「でも」

伊織はフェンスに背中を預け、空を⾒上げた。

「今は、ちょっと悔しいかも。」

「なにが」

「死ぬ顔、⾒せたくない。」

その⾔葉は、ほとんど無意識にこぼれた。

亮哉はゆっくりと伊織を⾒る。

「じゃあ⽣きとけば?」

軽い⼝調。

けれど⽬は、ほんの少しだけ真剣だった。