「.......そうかな。」
亮哉は⼼ここにあらずと⾔った様⼦の伊織を⾒て肩をすくめ、
何本⽬かわからないタバコに⽕を付けた。
「......それ、何本⽬? 今⽇、相当吸ってるでしょ」
亮哉が咥えかけたタバコを横から取り上げ、そのまま咥えた伊織。
「あ.....泥棒。吸えないくせに。」
そう⾔って伊織を軽く睨む。
「別に、そんな吸ってないよ。5,6本くらい?」
「.......吸ってんじゃん。」
咥えたタバコを、亮哉が吸っている様⼦を思い出しながらふかす。
「宇野くんは私と違って⾯倒でも⽣きるんでしょ。
だったら、体に悪いもの吸っちゃ駄⽬じゃ――げほっ、ごほっげほっ」
昨⽇と全く同じ様⼦で咳き込む伊織を⾒て、亮哉はケラケラと
笑い出した。
「はは、せっかく良いこと⾔ってそうだったのに、台無しじゃん。」
そう⾔って、笑いすぎたがゆえに⽬の淵に溜まった涙を拭う。



