「う~……寒い」
寝覚めの悪い夢を見たのは、きっと今朝がずいぶんと冷え込んだせいだ。
季節外れの大雪でも降ってないといいけど……目を開くと、ベッドの上で両肩を抱える。
春は間近だが、毛布と薄っぺらい生成り地のワンピースじゃ、冬の夜を耐えるのはさすがに厳しい。纏わりついた子供たちがいなかったら、無事に越せていたかどうか。
団子になった同じ境遇の子たちを起こさないよう引き剥がすと、私は冷たい床に爪先を落とす。ひっ――もうその感触だけでベッドの中に引っ込んでしまいたい。修道着を纏うと、ようやく人心地ついて息を吸い込めた。
そう、ここは教会兼孤児院――親に恵まれなかった子供たちの仮の住まい。
その一員で最年長の私は、脇の小机にあったいびつな髪留めを取ると、横髪につける。
元は丸い形だったのだろう。くすんだ半欠けの黒石がついたこれは唯一の私のオシャレ……ではなく。ここに預けられた時にただひとつ着けていた品。
あの夢を見たからと言う訳じゃないが、哀悼の意を込めて小さく祈った。
寝覚めの悪い夢を見たのは、きっと今朝がずいぶんと冷え込んだせいだ。
季節外れの大雪でも降ってないといいけど……目を開くと、ベッドの上で両肩を抱える。
春は間近だが、毛布と薄っぺらい生成り地のワンピースじゃ、冬の夜を耐えるのはさすがに厳しい。纏わりついた子供たちがいなかったら、無事に越せていたかどうか。
団子になった同じ境遇の子たちを起こさないよう引き剥がすと、私は冷たい床に爪先を落とす。ひっ――もうその感触だけでベッドの中に引っ込んでしまいたい。修道着を纏うと、ようやく人心地ついて息を吸い込めた。
そう、ここは教会兼孤児院――親に恵まれなかった子供たちの仮の住まい。
その一員で最年長の私は、脇の小机にあったいびつな髪留めを取ると、横髪につける。
元は丸い形だったのだろう。くすんだ半欠けの黒石がついたこれは唯一の私のオシャレ……ではなく。ここに預けられた時にただひとつ着けていた品。
あの夢を見たからと言う訳じゃないが、哀悼の意を込めて小さく祈った。



