極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

「……おいひいです」
「それはよかった」

 気付いたら、開いた口にケーキ収納【済】。
 底知れない多幸感と餌付けられた敗北感に、すっかり脱力した私が思考能力を取り戻すのには、それなりの時間を必要とした――。



「ふぅ、やっと人心地つきました……」
「気に入ってくれたようでよかったよ」

 お茶で余韻を洗い流すことで、しばし浸ったスイーツ天国からなんとか帰還した私に、アルベール様はようやくといった感じで本日のお題をあげてくる。

「で、どうかな? 聖女としての生活は」
「順調ですよ。人間関係にも恵まれましたし」
「それはいい。大変な仕事もいい仲間に恵まれれば楽しめるからね。それで――」

 彼が、わざわざ私の生活状況を気にして時間を割いてくれたのを忘れてはいけない。