お婆様とお母様と3人で行った歌舞伎座からの出会いで、繋がった絆が一人の女性の死を媒介にこうして広がっていったのだ。
結花は被害者の新庄夢野の生い立ちを聞いて、親に捨てられたと言う共通項はあるにしても、自分はまだ運のいい方だったのだと思った。
松尾のお爺さんが結花を支えてくれた事や父親は結花を絶縁したけれど大学に行くお金もマンションも与えてくれた。
それがあったからきちんとした仕事について生きてこられたのだ。
そう思うと夢野の生い立ちには同情するが、だからと言って人を騙してお金を査収するのは違っている。
夢野という名前を付けた彼女の両親はその時は自分たちの子供の誕生を心から喜んだのではないのだろうか?
そう思えてならない。興味もない子供にそんな名前は付けないだろう。
どこでどう間違って子供を捨てる事になってしまったのか、どう考えても結花にはわからない。
子供は親を選べない。親に愛されないやるせなさや憤りは結花にもわかる。
結花は高校生の時警察に捕まったからよかったのかもしれない。
だから一からやり直せたのだ。夢野は早い段階で捕まらず陽太や結花のように心配してくれる優しい警官や他人なのに親身になってくれる人に巡り合えなかったのだ。
良くも悪くも人の人生はそんな巡り会わせで変わってしまうものなのだろう。
結花は高校生の時松尾のおじいちゃんと巡り会わなかったら、そして1年前圭介と出会わなかったら今こうして満ち足りた優しい気持ちで周りを見る事は出来なかっただろうと思う。
仲良く肩を並べてワインの販売所に居る翔と智子の二人を見つめて結花は、辛い別れもあったが、こうしてまた故郷に帰ってこられた二人の前途に幸あれと祈るのだった。
翔が棚橋刑事に向けた眩しいイケメンの笑顔を見て結花もつられて笑顔になった。
翔の底抜けに明るくて純粋な笑顔を横で智子は嬉しそうに見上げている。きっと智子は翔のこの笑顔が大好きなんだろうなあと心がほっこりとした。
人生に真面目に誠実に向き合い人への憎しみにとらわれずに踏みとどまった青年の強さと、彼を信じて待ち続けた健気な恋人の物語が悲恋で終わらずによかった。
2人はブドウの収穫が終わりワイン作りがひと段落する頃に、この果樹園で家族と従業員に見守られて結婚式を挙げると言う。
彼らを陰ながら支えた智子の兄裕一郎は、今年から始めた桃のワインの担当を翔に任せるのだとかで、翔も張り切っているそうだ。
引き離されてもお互いを想い続けた二人の愛情と絆を心から祝福したい。
さわやかな秋空に広大なブドウ畑がどこまでも続く景色に、まるで外国に居るような錯覚に陥る。
そんなしみじみとした感慨に浸る結花を甲州の気持ちのいい秋空が歓迎してくれているようだ。
結花は被害者の新庄夢野の生い立ちを聞いて、親に捨てられたと言う共通項はあるにしても、自分はまだ運のいい方だったのだと思った。
松尾のお爺さんが結花を支えてくれた事や父親は結花を絶縁したけれど大学に行くお金もマンションも与えてくれた。
それがあったからきちんとした仕事について生きてこられたのだ。
そう思うと夢野の生い立ちには同情するが、だからと言って人を騙してお金を査収するのは違っている。
夢野という名前を付けた彼女の両親はその時は自分たちの子供の誕生を心から喜んだのではないのだろうか?
そう思えてならない。興味もない子供にそんな名前は付けないだろう。
どこでどう間違って子供を捨てる事になってしまったのか、どう考えても結花にはわからない。
子供は親を選べない。親に愛されないやるせなさや憤りは結花にもわかる。
結花は高校生の時警察に捕まったからよかったのかもしれない。
だから一からやり直せたのだ。夢野は早い段階で捕まらず陽太や結花のように心配してくれる優しい警官や他人なのに親身になってくれる人に巡り合えなかったのだ。
良くも悪くも人の人生はそんな巡り会わせで変わってしまうものなのだろう。
結花は高校生の時松尾のおじいちゃんと巡り会わなかったら、そして1年前圭介と出会わなかったら今こうして満ち足りた優しい気持ちで周りを見る事は出来なかっただろうと思う。
仲良く肩を並べてワインの販売所に居る翔と智子の二人を見つめて結花は、辛い別れもあったが、こうしてまた故郷に帰ってこられた二人の前途に幸あれと祈るのだった。
翔が棚橋刑事に向けた眩しいイケメンの笑顔を見て結花もつられて笑顔になった。
翔の底抜けに明るくて純粋な笑顔を横で智子は嬉しそうに見上げている。きっと智子は翔のこの笑顔が大好きなんだろうなあと心がほっこりとした。
人生に真面目に誠実に向き合い人への憎しみにとらわれずに踏みとどまった青年の強さと、彼を信じて待ち続けた健気な恋人の物語が悲恋で終わらずによかった。
2人はブドウの収穫が終わりワイン作りがひと段落する頃に、この果樹園で家族と従業員に見守られて結婚式を挙げると言う。
彼らを陰ながら支えた智子の兄裕一郎は、今年から始めた桃のワインの担当を翔に任せるのだとかで、翔も張り切っているそうだ。
引き離されてもお互いを想い続けた二人の愛情と絆を心から祝福したい。
さわやかな秋空に広大なブドウ畑がどこまでも続く景色に、まるで外国に居るような錯覚に陥る。
そんなしみじみとした感慨に浸る結花を甲州の気持ちのいい秋空が歓迎してくれているようだ。



