そんなものがどうしてどこから入手されたのか犯人の手がかりの一つとして警察は過去に、大井小百合のターゲットになった男やその所為で愛する人を失った女性たちにも焦点があてられた。
でも被害届がほとんど出ていなかったので過去の被害者の割り出しはかなり大変だったようだ。
大井小百合こと新庄夢野は情緒も本籍もずっと変えていなかったので、どこにどれだけいたとかも全く分からなかったそうだ。
でも被害者の体内からはニッカリンTは検出されなかった。死因はやはり脳挫傷によるものだった。
勿論現在のターゲット達が一番に調べられたが、誰一人として本名も、歳も,住まいも知っている者はいなかったし、殺害されたと思わしき時刻にはほとんどの関係者にはアリバイが成立していた。
長坂優弥のように妻が探偵事務所に依頼して調べたなら別なのだが、恋人や妻も調べられたが、恋人がいた人はおらず妻がいたのは優弥ともう一人陽太がエロ親父と言った会社社長だけだった。
社長の妻は夫の浮気も、もう気にしていないわと言って平然としていたそうだ。
棚橋刑事は時々渋谷の事務所にやって来ては、話せる範囲の捜査状況を教えてくれたので、結花たちは否応なくその事件に関心を持っ事になった。
それでも結花は、お義母様やお婆様の能天気な日常にも付き合わされていた。
着物を作るのは逃れられないようで、次にお義母様の所で着物の着付けの練習の時にデパートの外商さんが反物を持ってくると聞いていたので、圭介も荻原の実家に引っ張って行ったのだ。
本当に外商さんは反物をわんさか持ってきていて、お婆様と待ち構えていた。
圭介には結花の着物の反物を選ぶのを手伝ってくれるように言ってあった。
圭介の事が大好きな家政婦長の岡田さんも結花たちに交じって反物選びを手伝ってくれる。
圭介と岡田さんと結花の三人でああでもないこうでもないと言いながら、その合間に坊ちゃん呼びが直らないと言うより直すつもりのない岡田さんと圭介のいつもの掛け合い漫才のような言い合いに、ころころ笑う結花たちがにぎやかで
「本当に結花ちゃんがいるとこの家にぱ~っと明るい陽が差したようで、心まで温まるんですよ」
とお義母様が自分の反物を選びながらお婆様と楽しそうに話している。
「本当ね。結花ちゃんには明るい色が似合うわよね。恵子さんにはこれなんかどう?」
とお婆様はお義母様と結花の間をせわしなく行きかって選ぶのを楽しみながら手伝って下さった。
「8月の納涼歌舞伎に中本屋の御贔屓が出演するのでそれまでには仕上げてね」
とお婆様に念押しされて外商の人は汗だくになりながら、もちろんですと言っていた。
外商さんも大変だなあと、結花は着物用と帯用の反物をたくさん持ってきていた50代後半の外商さんに同情した。
彼の為にも結花は何とか着物を選ばないとだなあと思うのだが、何が何だかわからなくなる反物の山に閉口していた。
反物を見て柄がどんなふうに着物に反映されるのか全く想像の付かない結花に外商さんが丁寧に教えてくださった。
でも被害届がほとんど出ていなかったので過去の被害者の割り出しはかなり大変だったようだ。
大井小百合こと新庄夢野は情緒も本籍もずっと変えていなかったので、どこにどれだけいたとかも全く分からなかったそうだ。
でも被害者の体内からはニッカリンTは検出されなかった。死因はやはり脳挫傷によるものだった。
勿論現在のターゲット達が一番に調べられたが、誰一人として本名も、歳も,住まいも知っている者はいなかったし、殺害されたと思わしき時刻にはほとんどの関係者にはアリバイが成立していた。
長坂優弥のように妻が探偵事務所に依頼して調べたなら別なのだが、恋人や妻も調べられたが、恋人がいた人はおらず妻がいたのは優弥ともう一人陽太がエロ親父と言った会社社長だけだった。
社長の妻は夫の浮気も、もう気にしていないわと言って平然としていたそうだ。
棚橋刑事は時々渋谷の事務所にやって来ては、話せる範囲の捜査状況を教えてくれたので、結花たちは否応なくその事件に関心を持っ事になった。
それでも結花は、お義母様やお婆様の能天気な日常にも付き合わされていた。
着物を作るのは逃れられないようで、次にお義母様の所で着物の着付けの練習の時にデパートの外商さんが反物を持ってくると聞いていたので、圭介も荻原の実家に引っ張って行ったのだ。
本当に外商さんは反物をわんさか持ってきていて、お婆様と待ち構えていた。
圭介には結花の着物の反物を選ぶのを手伝ってくれるように言ってあった。
圭介の事が大好きな家政婦長の岡田さんも結花たちに交じって反物選びを手伝ってくれる。
圭介と岡田さんと結花の三人でああでもないこうでもないと言いながら、その合間に坊ちゃん呼びが直らないと言うより直すつもりのない岡田さんと圭介のいつもの掛け合い漫才のような言い合いに、ころころ笑う結花たちがにぎやかで
「本当に結花ちゃんがいるとこの家にぱ~っと明るい陽が差したようで、心まで温まるんですよ」
とお義母様が自分の反物を選びながらお婆様と楽しそうに話している。
「本当ね。結花ちゃんには明るい色が似合うわよね。恵子さんにはこれなんかどう?」
とお婆様はお義母様と結花の間をせわしなく行きかって選ぶのを楽しみながら手伝って下さった。
「8月の納涼歌舞伎に中本屋の御贔屓が出演するのでそれまでには仕上げてね」
とお婆様に念押しされて外商の人は汗だくになりながら、もちろんですと言っていた。
外商さんも大変だなあと、結花は着物用と帯用の反物をたくさん持ってきていた50代後半の外商さんに同情した。
彼の為にも結花は何とか着物を選ばないとだなあと思うのだが、何が何だかわからなくなる反物の山に閉口していた。
反物を見て柄がどんなふうに着物に反映されるのか全く想像の付かない結花に外商さんが丁寧に教えてくださった。



