"Mr&Mrs Ogiwara detective office" 事件簿1

今日はこれからお婆様の御贔屓にしている中本屋の歌舞伎の初日らしくそれに連れて行かれるらしい。

そのために朝から着物と格闘していた結花なのだ。

2週間に一度は、天然記念物もとい重要文化財のような圭介の実家に行ってお義母様に着物の着付けを倣っているのだが…

まあこれまでで3~4回習っただけなのでまだきちんと着られなくても仕方がないと思っていただこう。

着物のたたみ方は完璧だ。エヘン

習いに行くと終わってからの方が長いのだ。ひどい時は夕食まで食べて行けと言われて帰してもらえない。

いつも圭介が迎えに来てくれて、助け出してくれるのだ。

圭介が仕事で来られないときは諦めて夕食までご馳走になる。

そういう時はお婆様まで来る時があり“女子会ね!“と言って嬉しそうにはしゃぐ、おばばさまとお義母様、なんとも3世代にまたがった平均年齢50歳以上の高齢の女子会なのだ。

この後お婆様を迎えに行って銀座の歌舞伎座まで連れられていく事になっている。

はあ~歌舞伎なんて全然興味ないし、眠ってしまわないようにするのが精いっぱいだろうなあと、これからの約4時間の苦行を思いテンションダダ下がりの結花だった。

足袋をはいて草履の鼻緒に足の親指を突っ込んで履こうとすると、圭介がちょっと待ってと言って草履を手に持った。

今日初めて履く草履なので、鼻緒擦れにならないように鼻緒の部分をほぐしてくれた。

本当に優しい圭介なのだ。お義母様も

「まああ、圭介って結花ちゃんに本当に優しいのね。うふふ」

圭介は鬱陶しいと言わんばかりにお義母様を睨み付けて、

「あんまり結花を連れ歩かないようにな。草履なんて初めて履くんだから気を付けてやって」

そう言ってエントランスまで見送りに来てくれて”結花、ごめんな。がんばれ“と言ってぎゅっとハグしてくれた。