"Mr&Mrs Ogiwara detective office" 事件簿1

結花は着物を着るのに悪戦苦闘していた。一応圭介の母の恵子には習っていて、もう大丈夫と思っていたにもかかわらず、恵子がいなくて全くの一人で着付けるのは初めてでこれでいいのか途中で不安になってきたのだ。

そこに圭介がやって来て

「おお~、結花着物姿もいいなあ。そそられる」

と能天気な事を言っている。

「そんなこと言ってる場合じゃないの。なんか途中で帯がはらりと解けてしまいそうなんだけどこれであってるのかなあ。ああ~っお義母さん」

圭介の後ろから現れた義母の恵子を見つけて叫ぶ結花!地獄で仏とはこの事だ。

「まあ、ここまで着られたんだから頑張ったわね。結花ちゃん」

そう言いながらも容赦なく帯を解かれ着物を脱がされて、肌襦袢からやり直された。全部やん!と一人突っ込む結花

何とか着付けてもらって、下で待ってもらっていた荻原家の車に乗り込んだ。

ここは、結花と圭介が住むマンションで2階には二人が営むMr&Mrs Ogiwara detective officeがあり5階の最上階には二人の住まいがあるのだ。

ちなみにこのマンションは圭介の名義になっている。OGグループの現会長のお爺様が孫の圭介に生前贈与してくださったものだ。

荻原家はOGグループと言う複合企業を束ねる大企業の創業家だ。圭介は荻原家の長男で御曹司なのだ。

でもその後継者の座は弟の悠介に押し付けて自分は警察官になった。

そしてある事件で結花と知り合い、圭介のかなり強引なアプローチで結婚したのだ。

結花は学生の時は不良だった。高校生の時ある事件で一人で罪をかぶり少年院にいたことがある。

そういう事情を知っても荻原家は結花を受け入れてくれたのだ。結花には家族はいない。事件を起こした時に縁を切られた。

少年院に入った時の事件の被害者である松尾のお爺さんが、たった一人の血の繋がらない家族だ。

そんな過去のある結花が今こうして荻原家に温かく迎え入れられている事に感謝しかない。

しかしこういうお付き合いがちょいと鬱陶しいが…