「……は?前の学校の奴ら?」
「うん。雨宮君の前の学校ここからそんなに離れてないでしょ。だから、来るのかなーて。ていうか、誰か良い人いたら紹介して」
何を思い立ったのか。
既に売り物のジュースで一杯始めてる雨宮君の隣に座り、猫なで声でおねだりをする美南。
なんだかその様が、やさぐれたOLと少し悪なお兄さんがお酒を飲み交わしているようで、私は遠目で二人を見守った。
「まあ……来るかもしれないけど、ここの奴らと大して変わらねーぞ。それと、あんたの出会いサポートするつもりないから」
「ちっ、使えねー」
すると、期待を込めた表情から一変。
雨宮君から一刀両断され、美南の表情がひどく歪み、本音が駄々漏れてる。
「とりあえず今年は出店も多いし、イベントも多そうだから、一緒に回りながら出会いを探そう」
そんな彼女をフォローするため、私は急いで彼女の元に駆け寄ると、笑顔で肩に手を置いた。
「……確かに。莉子と歩いたら目立ちそうだよね」
それから暫く私の顔を凝視した後、ポツリと呟いた美南の目が、まるで獲物を狙った鷹の如くキラリと光る。
美南さん、なんか怖いです。
そのただならぬ気迫に押され、私は思わず生唾を飲み込む。
こうして、彼女の勢いに押されるまま、文化祭という名の出会い探しが今幕を開けようとしたのだった。



