__翌朝。
ピピピピ
「……ん」
目覚ましの鳴る音と、カーテンの隙間から差し込む朝日のダブルパンチで、夢の世界から強制的に現実世界へと引き戻される。
まだ布団の中で微睡んでいたいけど、今日も学校だからこのまま寝るわけにはいかない。
なので、無理矢理瞼を開き、先程から鳴り続けている耳障りな目覚ましを止めようとスマホを手探りで探す。
すると、指先に細くてサラサラしたものに触れ、なんだろうと視線を向けた途端。そこには私を抱き枕のように抱えて、静かな寝息を立てている櫂理君の顔がすぐ近くにあった。
……あ、そっか。
そういえば、昨日……。
あれから櫂理君に沢山キスをされた後、体の芯まで溶かされてしまった私は、お姫様抱っこで部屋のベッドまで運んでもらった。
そして、ここぞとばかりに櫂理君は布団に潜ってきて、“弟の顔”でおねだりをされてしまっては拒むことが出来ず。
結局彼の要望通り、朝まで一緒に寝ることになったのだった。
昨日は大人顔負けの色気で迫ってたのに、今の櫂理君の寝顔は少年のようにあどけなくて、庇護欲をくすぐられる。
普段は誰もが恐る悪魔のような人なのに。
ある時は頼れるヒーローになったり。
またある時は可愛い無邪気な弟になったり。
そして、時には色気ダダ漏れの大人な男性になったり。
沢山の顔があり過ぎて困惑する時もあるけど、そのどれもが私にとって魅力的で、たまらなく愛しい。
時たま、人から櫂理君はシスコン過ぎると言われることがあるけど、私だって相当なブラコンな気がする。
世界一可愛くて、世界一格好いい私の弟であり恋人。
そんな彼に絆されていく幸せを感じながら、溢れる愛情のまま、私も櫂理君の体をこっそりと抱き締め返した。



