青砥さんが口を開いた。
───やっぱり、切り出すタイミングを測っていた。
「この出口前提ですが」
彼は先ほどまで話していた営業に一瞥し、次にスライドの一箇所を指した。
「賃料成長率、やや強めに設定されていますね」
「……はい。周辺再開発による人流増加を見込んでいます」
営業が少し遅れて答える。
明らかに気後れしているのが、外側からだとよく分かる。
その中で、青砥さんがトン、と回していたペンを止めた。
「…そうですか。ただ、その前提が崩れた場合」
身を乗り出す。
「売却時の評価が大きく毀損する可能性があります」
淡々とした声。この声の温度はつねに一定だ。でも、相手を逃がさない。
「保有前提なら調整できますが、出口ありきで組む場合、このリスクは無視できないかと」
会議室の空気が、少しずつ重くなる。
私は手元の資料を握り直した。
「……補足します」
気づけば口を開いていた。
青砥さんがこちらを向く気配がした。
「今回のエリアは、商業施設との連動で人流増加が見込まれています」
営業担当に目配せをして、スライドを切り替えてもらった。私はそれに合わせて、続ける。
「それに伴い、賃料の底上げも一定程度現実的と判断しています」
───やっぱり、切り出すタイミングを測っていた。
「この出口前提ですが」
彼は先ほどまで話していた営業に一瞥し、次にスライドの一箇所を指した。
「賃料成長率、やや強めに設定されていますね」
「……はい。周辺再開発による人流増加を見込んでいます」
営業が少し遅れて答える。
明らかに気後れしているのが、外側からだとよく分かる。
その中で、青砥さんがトン、と回していたペンを止めた。
「…そうですか。ただ、その前提が崩れた場合」
身を乗り出す。
「売却時の評価が大きく毀損する可能性があります」
淡々とした声。この声の温度はつねに一定だ。でも、相手を逃がさない。
「保有前提なら調整できますが、出口ありきで組む場合、このリスクは無視できないかと」
会議室の空気が、少しずつ重くなる。
私は手元の資料を握り直した。
「……補足します」
気づけば口を開いていた。
青砥さんがこちらを向く気配がした。
「今回のエリアは、商業施設との連動で人流増加が見込まれています」
営業担当に目配せをして、スライドを切り替えてもらった。私はそれに合わせて、続ける。
「それに伴い、賃料の底上げも一定程度現実的と判断しています」



