正しくない恋のはじまり


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午前中のうちに取引先との打ち合わせを大急ぎで終わらせた俺は、迷うことなくあかりちゃんのデスクを目指した。

……いない。
彼女の机は整頓されていて、パソコンも閉じられている。

ランチか?もう行ってしまったのか?

まあそう慌てるな、俺。
夜のデートに誘うんだ、まだ間に合う。


いったん自分のデスクに落ち着いて、さっきコンビニで買ってきたおにぎりを頬張る。

ちらりと辺りを見ると、───ピリついている。

理由は簡単だ。
青砥が来ているからだ。

やつが来ている時は、ひとつのミスも許されない。
いつもみたいにだらけて仕事しようものなら、気配なく背後に現れて、静かに指摘してくる。
その不気味さといったら。

諸先輩たちの、いつもは見ない真剣さたるや。

ダブルチェックどこかトリプルチェック、記入漏れ、申請忘れなどがないか、とことん確認をしまくっている。