正しくない恋のはじまり

青砥が、俺の顔をじっと見てきた。

「おはようございます」

先に挨拶され、一瞬たじろいだ。

なんで、こんなに社員がわんさかいるのに、まず俺に挨拶?

「……おはようございますー」

愛想笑いを返して、いったんこの場は退避した。


あかりちゃんに小さく手を振ると、彼女は意味が分かっていないような顔で会釈していた。

そこに残る、青砥の視線。


───俺、お前になんかしたっけ?

してないよな?
してないはずだよな?

……してないよな?