正しくない恋のはじまり

評価じゃなくて、ただの事実。

その重さが、遅れて落ちてきた。

利用されたわけじゃない。でも、試されていた。
その違いが、やっと形になった。

それでも───

胸の奥が、まだ引っかかっている。
言葉にしきれない何かが、残っている。

「……私」

うまく呼吸ができない。

「ちゃんと、青砥さんのこと、嫌いになろうとしたんです」

自分でも驚くくらい、するっと出た。

止められない。

「疑って、距離取って、それで終わるつもりだったのに。……全部、うまくいかなくて」

少しだけ息が乱れる。
それでも、目は逸らさない。

「……でも、そっちに行きたくなるの、やめられなくて」

言ってから、息が乱れる。
違う、と思う。

これはもっと、曖昧で、説明できないものだ。

怖いのに。疑ってるのに。
それでも、彼と一緒に“正しいこと”をするために探し続けた。

どうしてなのか、自分でも分からない。