「資材調整であれば、支払先は変わらない。再委託であれば、登録と承認が必要です。しかし、今回はどちらも存在しない」
キーボードを叩く音が、短く響く。
その音だけが、妙に大きく聞こえる。
「さらに、この会社」
同じ名義が、別案件にも並んでいた。
点だったものが、線になる。
……繋がってしまう。
「偶然ではありませんよね?」
と青砥さんはゆっくりと二人を交互に見たあと、なんとなく三浦さんに照準を合わせたように感じた。
彼はまだ言葉をやめない。
「本来、複数社で見積を取るべき案件を、特定の一社に固定していましたよね。しかもその金額、相場よりも高い設定でした」
空気が、一瞬止まる。
彼が指すその一社というのがどこなのか、もはや明白だ。
淡々と積み上げる声に、逃げ場が消えていく。
三浦さんの口元が、わずかに動いた。
「会社として利益が出る形にしただけよ」
証拠になりうる画面を見せられているのに、彼女は口元だけで笑う。
開き直るのとも違う、まだどこかに“大丈夫”という自信のある微笑み。
「そこまで言うなら、その会社に問題があるってこと?」
「はい。問題は二つです」
引く気配のない青砥さんが、視線を上げる。
「契約にない資金移動があること。そして、もうひとつ。それを正当化する承認記録が存在しないことです」
彼の言葉が落ちるたびに、空気が少しずつキンと張り詰めていった。
部長の表情が、ゆっくり変わっていくのが分かる。
余裕が、削れていく。
キーボードを叩く音が、短く響く。
その音だけが、妙に大きく聞こえる。
「さらに、この会社」
同じ名義が、別案件にも並んでいた。
点だったものが、線になる。
……繋がってしまう。
「偶然ではありませんよね?」
と青砥さんはゆっくりと二人を交互に見たあと、なんとなく三浦さんに照準を合わせたように感じた。
彼はまだ言葉をやめない。
「本来、複数社で見積を取るべき案件を、特定の一社に固定していましたよね。しかもその金額、相場よりも高い設定でした」
空気が、一瞬止まる。
彼が指すその一社というのがどこなのか、もはや明白だ。
淡々と積み上げる声に、逃げ場が消えていく。
三浦さんの口元が、わずかに動いた。
「会社として利益が出る形にしただけよ」
証拠になりうる画面を見せられているのに、彼女は口元だけで笑う。
開き直るのとも違う、まだどこかに“大丈夫”という自信のある微笑み。
「そこまで言うなら、その会社に問題があるってこと?」
「はい。問題は二つです」
引く気配のない青砥さんが、視線を上げる。
「契約にない資金移動があること。そして、もうひとつ。それを正当化する承認記録が存在しないことです」
彼の言葉が落ちるたびに、空気が少しずつキンと張り詰めていった。
部長の表情が、ゆっくり変わっていくのが分かる。
余裕が、削れていく。



