「再委託であれば、登録が必要です」
青砥さんの声が、不穏な空気の中にひと雫おとされた。
その温度は、やはりいつもと変わらない。
けれど、空気の質が変わる。
さっきまでの“やり取り”が、
ゆっくりと“対峙”へ形を変えていく。
「この案件では、届出がありません」
三浦さんの目が、わずかに細くなる。それは、青砥さんに向けられた。
「届出漏れかもしれないですよね」
「複数案件で同一の処理が確認されています」
間を置かずに返る。彼もまた、逃げ道を与えない。
「単発の漏れでは説明がつきません。───こちら、本件の支払いログです」
青砥さんが、パソコンの画面を引き寄せて、契約額を示す。
「ここまでは一致しています……が、」
指先が、迷いなく動いた。
「第二回支払い以降、一部が分割され、別口座へ振り込まれている」
「そんなもの、資材調整だろう」
部長の声が入る。
低く、押しつけるような響きだった。
「その説明では、これは成立しません」
青砥さんの声には、感情は一切乗っていない。
その分、視線だけがどこか鋭さを増していた。
青砥さんの声が、不穏な空気の中にひと雫おとされた。
その温度は、やはりいつもと変わらない。
けれど、空気の質が変わる。
さっきまでの“やり取り”が、
ゆっくりと“対峙”へ形を変えていく。
「この案件では、届出がありません」
三浦さんの目が、わずかに細くなる。それは、青砥さんに向けられた。
「届出漏れかもしれないですよね」
「複数案件で同一の処理が確認されています」
間を置かずに返る。彼もまた、逃げ道を与えない。
「単発の漏れでは説明がつきません。───こちら、本件の支払いログです」
青砥さんが、パソコンの画面を引き寄せて、契約額を示す。
「ここまでは一致しています……が、」
指先が、迷いなく動いた。
「第二回支払い以降、一部が分割され、別口座へ振り込まれている」
「そんなもの、資材調整だろう」
部長の声が入る。
低く、押しつけるような響きだった。
「その説明では、これは成立しません」
青砥さんの声には、感情は一切乗っていない。
その分、視線だけがどこか鋭さを増していた。



