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三浦さんが「すぐ戻るから」と席を外し、戻ってきた時には部長も一緒だった。
嫌な予感が、そのまま形を持って現れたみたいだった。
四人で会議室へ移動する。
ドアが閉まる音が、私たちを閉じ込めるみたいに不気味だった。
長机を挟んで向かい合った瞬間、これはもう“確認”では終わらないと、はっきり分かった。
向こう側には、部長と三浦さん。
こちら側には、私と青砥さん。
綺麗なまでの構図だった。
ノートパソコンは、開いたまま。
画面には、ログと契約書、承認履歴。
どれも、もう見なかったことにはできない。
とうとうここまで来てしまった。
引き返す場所は、ない。
息を整えようとしても、なかなか難しい。
最終局面は、おそらく今。
これまで味わったことのない恐怖と緊張が、両肩にのしかかった。
手のひらがじっとりと湿っているのが分かる。
「……藤井」
部長が口火を切った。
その低い声で、怒鳴ってるわけでもないのに背筋が勝手に伸びる。
「こそこそと何を確認していた?」
「……支払いログと契約書の照合です」
「誰の指示だ?」
一瞬、言葉が詰まった。
青砥さんは、こちらを見ない。まっすぐ部長たちの方だけを見ている。
助けない。
答えもくれない。
───自分で、言ってください。
横顔から、そう言われている気がした。



