朝の会議室は、いつもより少しだけ空気が張っていた。
案件は終盤に入っている。
工程も、コストも、スケジュールも、すべてが“微調整”の段階だ。
だからこそ、小さなズレがそのまま致命傷になる。
誰もがそれを分かっているから、無駄な言葉はない。
資料をめくる音と、ペン先が紙を叩く乾いた音だけが、静かに積み重なっていく。
「前回の見積り、再確認しました」
画面を切り替えながら、私は口を開いた。
「外構工事の単価ですが、当初想定より約8%上振れしています。主に資材価格の変動と、施工条件の変更が理由です」
「8%か」
部長の短い相槌。
「はい。特に舗装材の仕入れ単価が上がっています。アスファルト合材の市況がここ数ヶ月で変動していて」
グラフを表示する。
数値は、嘘をつかない。
「ただし、総工費への影響は限定的です。構造側で一部コストダウンできているので、全体では±3%以内に収まる見込みです」
空気は崩れていない。
順調だと、誰もがそう思っている顔をしている。
案件は終盤に入っている。
工程も、コストも、スケジュールも、すべてが“微調整”の段階だ。
だからこそ、小さなズレがそのまま致命傷になる。
誰もがそれを分かっているから、無駄な言葉はない。
資料をめくる音と、ペン先が紙を叩く乾いた音だけが、静かに積み重なっていく。
「前回の見積り、再確認しました」
画面を切り替えながら、私は口を開いた。
「外構工事の単価ですが、当初想定より約8%上振れしています。主に資材価格の変動と、施工条件の変更が理由です」
「8%か」
部長の短い相槌。
「はい。特に舗装材の仕入れ単価が上がっています。アスファルト合材の市況がここ数ヶ月で変動していて」
グラフを表示する。
数値は、嘘をつかない。
「ただし、総工費への影響は限定的です。構造側で一部コストダウンできているので、全体では±3%以内に収まる見込みです」
空気は崩れていない。
順調だと、誰もがそう思っている顔をしている。



