私は答えようとして、言葉を見失う。正しいはずの選択肢なのに、どちらにも立てない。
三浦さんはその沈黙を急かさない。ただ静かに続けた。
「今回の案件、止まると困るのは分かるよね?ここまで来てるの、藤井さんが一番分かってると思うし」
やわらかい声の中に浮かび上がる、見えない圧。
抵抗できるわけもなく、そのままうなずくしかない。
「……はい」
「だったらさ、余計なこと考えない方がいいよ」
優しい言い方。
けれど、その“余計なこと”が何を指しているのか、言われなくても理解してしまった。
少しだけ、間が落ちる。
「藤井さんって、真面目だもんね」
私に向けられる視線が、ほんの少しだけ細くなった。同時に、鋭さみたいなものも増している。
「そういうの、一番引っ張られやすそうだもの。心配なのよ。───あの人に」
笑っているはずの笑顔が、そうではなくなっていた。
彼女がわざとひと呼吸置くのが、嫌でも伝わってくる。
どくん、と心臓が大きく鳴った。
三浦さんはその沈黙を急かさない。ただ静かに続けた。
「今回の案件、止まると困るのは分かるよね?ここまで来てるの、藤井さんが一番分かってると思うし」
やわらかい声の中に浮かび上がる、見えない圧。
抵抗できるわけもなく、そのままうなずくしかない。
「……はい」
「だったらさ、余計なこと考えない方がいいよ」
優しい言い方。
けれど、その“余計なこと”が何を指しているのか、言われなくても理解してしまった。
少しだけ、間が落ちる。
「藤井さんって、真面目だもんね」
私に向けられる視線が、ほんの少しだけ細くなった。同時に、鋭さみたいなものも増している。
「そういうの、一番引っ張られやすそうだもの。心配なのよ。───あの人に」
笑っているはずの笑顔が、そうではなくなっていた。
彼女がわざとひと呼吸置くのが、嫌でも伝わってくる。
どくん、と心臓が大きく鳴った。



