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デスクに戻ってから、私はしばらく動けなかった。
パソコンの画面に映る資料が、こちらを照らす。
さっきまでの会議の言葉が、頭にこびりついて離れない。
“余計な注釈は入れるな”
“通る資料を作れ”
頭の中で、何度も反芻される。
正しいことをやろうとすると、浮いてしまう。
合わせれば、通る。
どっちも分かってる。
───じゃあ、どうすればいいの。
問いかける。
ふと空席の青砥さんのデスクを見やる。今日は、いない。
分かってるのに、見てしまう。
私の問いに、誰も答えてくれる人はいない。
ゆっくりと、マウスに手を伸ばした。
資料のファイル“_check”を開く。
そこには修正前のデータが広がっていた。
現地で見た景色。
そして、自分で積み上げた違和感が全部、ここにある。
ただし、そのまま出せば、間違いなく通らない。



