クラスの透明人間は、夜を駆ける怪盗でした


「破れたところを縫い合わせて、飾りもつけ直します。新品みたいにピカピカにはならないかもしれないけど、また使えるくらいには直せると思います」

「七瀬さんが直してくれるの?」

「はい。図書室に手芸の本があって。私、少しなら裁縫ができます」

先輩は目を丸くした。

「……どうして、そこまで?」

「私も……大切なものを、なくしたことがあるから」

優衣ちゃんの手紙のことが、頭をよぎる。

「私は、取り戻せなかった。だから、せめて他の誰かの大切なものは、守りたくて」

先輩の目が、静かに潤んだ。泣くまいとしているのか、ただじっと私を見ていた。

「一つだけ、お願いがあります」

「なに?」