私は何度も手紙を読み返した。
便せんの端が、少しだけ波打っている。もしかしたら、涙が落ちたのかもしれない。
凛ちゃんは後輩を助けたくて、私に頼ってくれたんだ。
胸の奥が、じんわりと熱くなる。
でも、今回は今までとちょっと違う。
壊れてしまった「絆」を、元に戻すための仕事だ。
優衣ちゃんの手紙を失った私には、わかる。たとえ形が変わっても、絶対に手放せないものがあるってこと。
……でも。ただリボンを盗み出すだけで、本当に解決するのかな──?
体育館のほうから、新体操部の掛け声が聞こえてくる。
私は、本棚の隙間から体育館のほうへ目を向けた。
*
翌日、木曜日の放課後。図書室で本を整理していると、翼くんがやって来た。
「ねえ、七瀬さん。この本、どこにある?」
差し出された紙に書かれていたのは……
『夜間警備・施錠管理の基礎知識』
心臓が小さく跳ねた。
……これ、先週私が借りた本だ。まさか、翼くん……私のことを試してる?



