人形姫と秘密のお役目

 ──ズドーン


 続いて大きな爆発音。

 一見すれば工事の音にも聞こえるが、私の陰陽師としての勘がそうではないと告げている。


 ただ事ではないと思い、父に報告しようと腰を上げる。


「澪様!」


 慌ただしい足音と共に、声が響いた。

 私はゆっくりと腰を戻し、声のする方へと、ゆっくり顔を向ける。


「……そうや」

蒼真(そうま)です!」


 間髪入れずに訂正が飛んできた。

 少しだけ間を置いて、私は頷く。


「……ああ、蒼真。どうしたの」


 彼は息を切らしながら、それでも真っ直ぐにこちらを見た。


「“アレ”が出ました。かなり強い気配です」


 一度言葉を切ると蒼真は正座をし、背筋を伸ばす。


「どういたしますか、澪様」


 空気が、わずかに張り詰める。

 私は静かに立ち上がり、人形を抱き寄せた。


「……すぐ準備して行く。外で待ってて」

「御意」


 蒼真は短く答え、一礼をすると、素早く部屋から出ていった。