野球、やりませんか⁉

「は? どういうことだよ、これ」

「どう考えたって、理事長のイヤがらせだろ」


 グラウンドに対戦相手――月瀬中学のメンバーが入ってきた瞬間、みんなの顔色がさっと変わった。


 相手が体の大きな三年生ばかりだったから?

 ううん、そうじゃなくて――。


「猪尾先生が、監督を引き受けてくださったのですね」

「いやいや。わたしは監督などではなく、ただの野球部の顧問ですよ」

「本日は、なにとぞよろしくお願いいたします」

「お手柔らかにお願いしますよ、竜崎先生」

「いえ、この子たちの実力は、わたしが一番よくわかっていますので。一切手加減なしで行かせていただきます」

 そんなやりとりをする先生たちを、みんながすごい目で睨んでる。


 だって、竜崎監督の新しい赴任先の中学が、今日の対戦相手だったんだから!


「俺らを見限ったことを、絶対後悔させてやる」

「うおーっ! やったるぜー‼」


 みんなめちゃくちゃ燃えてるよ。