***
「ただいまー」
練習着を洗濯に出した時点で、野球をやってきたことは、お母さんに間違いなくバレてしまう。
それに、これから本格的に部活をやるには、いつまでも黙っているわけにはいかない。
覚悟を決め、洗濯物をひと抱え持って、わたしはリビングへの扉を開けた。
「お母さん」
わたしが呼びかけると、カウンターキッチンに立つお母さんが、わたしの方を見た。
「まあ……どうしたの、それ?」
わたしの持つ洗濯物の意味を察したお母さんが、眉をひそめる。
「あのね、野球部でセカンドをやれる子がいなくてね、それで――」
「それでムリやり押しつけられたの? わかった。明日お母さんが、ちゃんと学校に抗議してあげるから。『もう野球はやりたくないって言ってますから』って」
「待って、お母さん。違うの!」
お母さんの言葉を途中で遮って、言葉を挟む。
「全然違うよ。わたし、野球がやりたいの。ずっとお兄ちゃんにムリやりやらされてたわけじゃなくて、わたし、ずっと野球が大好きだったの。だから、みんなとまた野球がやりたい。お母さん、お願い。わたしに野球をやらせて!」
途中でお母さんに口を挟む隙を与えず一気に最後まで言いきると、はあはあと大きく息をする。
「ただいまー」
練習着を洗濯に出した時点で、野球をやってきたことは、お母さんに間違いなくバレてしまう。
それに、これから本格的に部活をやるには、いつまでも黙っているわけにはいかない。
覚悟を決め、洗濯物をひと抱え持って、わたしはリビングへの扉を開けた。
「お母さん」
わたしが呼びかけると、カウンターキッチンに立つお母さんが、わたしの方を見た。
「まあ……どうしたの、それ?」
わたしの持つ洗濯物の意味を察したお母さんが、眉をひそめる。
「あのね、野球部でセカンドをやれる子がいなくてね、それで――」
「それでムリやり押しつけられたの? わかった。明日お母さんが、ちゃんと学校に抗議してあげるから。『もう野球はやりたくないって言ってますから』って」
「待って、お母さん。違うの!」
お母さんの言葉を途中で遮って、言葉を挟む。
「全然違うよ。わたし、野球がやりたいの。ずっとお兄ちゃんにムリやりやらされてたわけじゃなくて、わたし、ずっと野球が大好きだったの。だから、みんなとまた野球がやりたい。お母さん、お願い。わたしに野球をやらせて!」
途中でお母さんに口を挟む隙を与えず一気に最後まで言いきると、はあはあと大きく息をする。



