野球、やりませんか⁉

 そして勝負は終わり、あとは結果を待つばかり。

 けど、みんなの話し合いは、なかなかまとまらないみたい。


「おいおい、いつまでかかってんだよ。どう考えたって、こいつよりオレの方が上だろ⁉」

 しびれを切らした中山くんが、大きな声を出す。


「あのさ中山、セカンドじゃなくて、ピッチャーやる気ない? もちろん今度の練習試合でって話じゃないけどさ」

 こちらを向いた有沢くんが、中山くんに言う。


「僕も今後のことを考えたら、控えのピッチャーが必要だとずっと思っていた。今までの練習を見てきて、中山にはピッチャーとしての素質は十分にあると思う」

「は? 控え? なんだよ、それ。エースじゃないならやらねーよ」

「どっから来るんだよ、その自信は。なら今度は俺と勝負するか?」

 有沢くんの顔が……マジだ。


「……」

 さすがに中山くんも有沢くんのすごさはわかっているのか、そのまま言葉を飲みこんだ。


「ってことで、本気でピッチャーへの転向、考えてくれる?」

 一転して、へらりと笑う有沢くん。


「は? 今度の練習試合で負けたら終わりなんだぞ? おまえら、マジで勝つつもりかよ。相手は市大会ベスト4。勝てるわけねーだろ」

「勝つつもりしかないが?」

 バカにしたように笑う中山くんに向かって、渡瀬くんがなんのためらいもなくキッパリと言い切る。