野球、やりませんか⁉

「ナイスラン!」

「有沢、ナイバッチ! あんな球、よく打ったなー!」

「へへんっ。前に大谷選手がやってたヤツ、何度も見てイメトレした甲斐があったぜ」

 みんなのはしゃいだ声が飛び交っている。


 わたしは、うつ伏せでホームベースにタッチしたまま、身動きすることができずにいた。


「ほら立って、キャプテン。あいさつするって」

「……」

「なに、ひょっとして、泣いてんの?」

「な……ないでなんが……」

 ぐしゃぐしゃの顔を必死に隠しながら、ゆっくりと立ちあがると、頭の上にふわっとタオルがかけられた。


「やっぱサイコーだな、うちのキャプテンは」

 そう言いながら、有沢くんがタオルの上からわたしの頭をぐりぐりとなでた。