野球、やりませんか⁉

「そ、そろそろ試合始まるよっ」

 ムリやり口を挟むと、二人の背中を押してみんなの待つベンチへと戻っていく。


「そうだ。大希くん、応援に来てくれてありがとう!」

 振り向いてわたしがそう言うと、大希くんがまた顔を真っ赤にする。


「べっ、別に応援しに来たわけじゃねーし」


 ふふっ。この状況でもまだそんなこと言うんだ。


「とにかく、絶対に問題起こすなよ」

「言われなくてもわかってるよ」

 有沢くんが念を押すと、ふてくされながらもちゃんと返事をする大希くん。


「……なんかさ、意外と普通じゃね?」

「もっとすごいヤンキーかと思ったけどな」

 大希くんとわたしたちのやりとりを見ているうちに、みんなの間の張りつめた空気が少しずつ和らいできたみたい。


 はぁ~、よかった……。


「そんじゃあ、円陣でも組んどきますか」

「なあ。そういや、うちのキャプテンって誰だ?」

 八柳くんの何気ないひと言に、みんながお互い顔を見合わせる。


「ここまでみんなをまとめたのは、どう考えたってアイツでしょ」

「そうだな」

 有沢くんと渡瀬くんがうなずき合うと、同時にわたしを見る。


「わ、わたし⁉ いやいや、わたしはただのマネージャーで……」

「なに言ってんの。もう立派なプレイヤーでしょ?」

「そうだけど……でもこういうのは、実力的にも有沢くんか渡瀬くんが適任かと」

「棚橋がいなければ、この日を迎えることはなかった。それが理由じゃダメか?」