約束を超えた先で、君を待つ。

初めて月音の笑顔を見た時は、呼吸が止まった。あまりに可愛くて、頭が真っ白になるくらいの衝撃だった。

だからこそ、全てを話してくれた時の泣き顔が、余命を宣告されたと教えてくれた時の声の震えが。どうして頭にこびりついていて。

全てが、月音の病気のことは俺が簡単に聞いてはいけないことだったんだと思った。月音がどれだけ大きなものと戦っていて、どれだけひとりで頑張っているのか。それを理解することすらできない俺が聞くことは、月音を傷付けてしまうだけだということに。後から気が付いたんだ。

俺にできることなんて何もないんじゃないか。そう思ったけれど、そのころには月音への気持ちを自覚していて。

じゃあ、どうすればもっと月音と一緒にいられる?

どうすれば、月音にもっと笑ってもらえる?

月音が喜ぶことは? 月音がしたいことってなんだ?

月音は。月音が。月音だったら。

全てが、月音中心の生活になったのはいつからだっただろう。

それを不思議にも思わず、むしろ幸せに感じていて。病気という現実から目を逸らして、月音をたくさん笑わせたくて。

今日が誕生日だと知って、たくさんの準備をして。

そうして、月音の幸せそうな笑顔が見られて本当に良かったと思う。

それと同時に、あとどれくらい月音と一緒にいられるのかを考えてしまう。