約束を超えた先で、君を待つ。

「月音」

「……」

「月音」

「……なにっ」

恥ずかしいから返事したくないのに、ずっと呼び続けるから返事するしかなくて。

可愛げのない声を出すと、陽太くんはわたしの頭を押さえつけるように力を強めて。

「……俺より先に言ってんじゃねぇよ」

そう悔しそうに呟いたかと思うと。

「困るわけねぇだろ!……俺の方が、ずっとずっと前から月音のことが大好きなんだから。嬉しいに、決まってる」

――夢みたいな言葉が、聞こえたんだ。

「……え……? いま、なんて?」

「……だから、俺だって月音のことが好きだって言ってんの」

やけになったようにそう吐き捨てる陽太くんは、照れているのかそれ以上何も喋らなくなってしまい。

「うそ……」

「嘘じゃねぇよ」

「でも……」

そんなの、信じられるわけないじゃん……!

だけど、

「でもじゃない。……俺は、好きでもない子のために毎日わざわざ面会には来ないし、好きでもない子のために誕生日のお祝いしたりしない」

「っ」

「全部、月音だからしたこと。月音にだから、したいと思った。……好きなんだよ。こんなに必死にアピールしてるんだから、いい加減わかれよ」

そんな風に言われたら、もう胸がいっぱいで。

「夢じゃない……?」

「だから勝手に夢にするな」

「だって」

「ああもう黙って。……好きだよ、月音」

「……わたしも、好きぃ……」

陽太くんに力いっぱい抱きついた。