約束を超えた先で、君を待つ。

「じゃあまたな」

「またね。本当にありがとう!」

こんなにも幸せで素敵な誕生日は、この病気になってから初めてだった。

きっと、陽太くんはたくさん考えてくれたんだと思う。この間のやりたいことや食べたいものの話は全部ここにつながっていたのかと思うと驚くけれど、お祝いしたいと思ってくれたその気持ち自体がまずうれしい。そしてこうして形にしてくれたことがたまらなく幸せだと思った。

お母さんにもお礼を言わないと。

だけど、楽しくて幸せだった分、陽太くんが帰ってひとりぼっちになるといつもよりも寂しさが募ってしまう。

陽太くんの背中が見えなくなって、扉が閉まる。

だけどその瞬間、また扉が開いて。

「え……?」

「月音、やっぱ最後にこれだけ」

そう言うが早いか、陽太くんが戻ってきてわたしをぎゅっと包み込む。

「よう、たくん?」

「我慢しようと思ったけど、やっぱ月音が可愛過ぎて無理。だからごめん、ちょっとだけ……」

背中に回る手は震えていて、さっきまでの笑顔とは全然違うように感じる。

「……諦めんなよ。俺をおいてったら許さないからな」

「ようたくん……」

声も震えていて、たまらず腕を陽太くんの背中に回す。

びくりと跳ねた肩におでこをつけて、呟く。

「うん。……諦めない。陽太くん。わたし、頑張る。頑張るよ」

こんなに幸せをもらったんだ。今日という、こんなに素敵なプレゼントをもらったの。それなのに半年で死んじゃいられない。

やっぱり、わたしもっと生きたい。もっともっと生きて、陽太くんと一緒にいたい。