約束を超えた先で、君を待つ。

映画の内容は原作通りすごく面白い。面白いんだけど、やっぱり陽太くんとの距離が近すぎてドキドキしてしまう。

腕と腕が触れ合う距離。陽太くんのお家の柔軟剤の匂いだろうか。お花畑みたいないい香りがして、ごくりと唾を飲み込む。

映画に集中しないといけないのに、内容が半分くらいしか頭に入ってこなくて。

これじゃあせっかく用意してくれた陽太くんに申し訳ない。

お茶を一口飲んでもう一度意識を映画に戻すと、今度はストーリーが盛り上がってきて集中することができた。

映画が終わると、もう面会時間が終わるギリギリで。陽太くんは急いで荷物をまとめて帰ることになった。

本当はもうちょっとゆっくりしていてほしかったし、もうちょっと一緒にいたかった。

だけど、時間は時間だから仕方ない。

「今日は本当にありがとう。すごく楽しかったし、うれしかった」

「喜んでもらえてよかったよ。ポップコーンだけタイミングミスって悔しいけど、腹減った時にでも食べて」

「うん。多分全部は無理だからまたみんなでわけるね」

きっとまたみんなに喜んでもらえるだろう。それを想像するだけでわたしもうれしい。