約束を超えた先で、君を待つ。

***

それから一週間後。

「最近陽太くん来ないね?」

「うん。なんか忙しいみたい」

山本さんがそう言うくらい、陽太くんは最近面会に来ていなかった。

「今日は体温も血圧も問題無しね。調子はどう?」

「んー……昨日よりはいい、かな」

「よかった。あとで先生も見にくると思うから」

「うん」

山本さんは点滴の液だけ交換して病室を出ていき、また静かな空間に戻る。

小説も昨日読み終わってしまったし、陽太くんから借りていたマンガも先週返してしまったから手元にない。

スマホゲームも気分じゃないし、テレビもなんとなく違う。

「……陽太くん、今日も来ないのかな……」

気が付けば陽太くんがいるのが当たり前になっていて、陽太くんがいない時間をどう過ごせばいいのか悩んでしまうくらいだ。

今日は来るだろうか。今日こそは。

毎日そう考えては、面会時間の終わりを迎えて落ち込んでしまう。

陽太くんは学校に通ってて、友達もいて。ここに来てくれることは当たり前じゃない。それはわかっていたけれど、なんとなくわたしは陽太くんの特別なんじゃないかって、そう思ってしまっていたのかもしれない。

陽太くんの優しさに甘えすぎていたのかもしれない。

……寝よう。

もしかしたら学校終わりに来てくれるかもしれないから。今のうちに眠っておこう。……なんて、現実から逃げているだけなのだけど。

目を閉じて、夢の世界へと向かった。