約束を超えた先で、君を待つ。

「なんか……あの時みたいに、ただポップコーン食べながら映画を見て、っていうの、またやりたいなと思った」

「いいじゃん。ほかには?」

「ほか? えぇー……」

陽太くんはどんどんわたしにやりたいことや行きたい場所を聞いてきて、戸惑いながらも一つずつ答えていく。

「あ、ケーキ。ケーキ食べたい。大きなホールケーキ」

「生クリーム? チョコ?」

「チョコ! チョコだけどいちごがのってるの。家の近くにあるケーキ屋さんでね、いつも誕生日の時ねだってて」

「へぇ、チョコケーキでいちごのってるなんて珍しいな」

「そうでしょ!? すごいおいしいの。あれまた食べたいなあ」

たくさんのことを考えている間に、懐かしいものや大切な思い出が頭に浮かんできて。

楽しかった気持ちと、もう叶わないという寂しい気持ち。それが混ざり合って、すごく複雑な気持ちになる。

どうして陽太くんがそんなことを聞いたのだろう。それはわからないけれど、ずっと陽太くんはうんうん頷きながら聞いてくれた。

そして何か考えるような仕草をしたかと思うと

「わかった。じゃあ俺、用事あるから今日は帰るわ」

と言って帰っていく。

「……何がしたかったんだろう」

首をかじけながらも、今日も体力が限界を迎えてベッドに横になる。

後からきた山本さんに

「無理は禁物!」

と叱られながらも、頭の中ではずっと陽太くんのことを考えていた。