約束を超えた先で、君を待つ。

余命というものを宣告されてから一ヶ月。自分の身体が限界に一歩ずつ近づいていることはわかっている。だからといって、何をどうすればいいのかはまだわからない。

……そんなある日。

「え? やりたいこと?」

「うん。月音が今一番やりたいことって何?」

面会にやってきた陽太くんに聞かれて、考える。

「なんだろ……」

だけど今までもそんなこと考えてこなかったから、いざ聞かれてもパッと思いつかない。

「なんでもいいよ。何か食べたいとか、どこか行きたいとか」

「どこか行きたいって言ったって、行けないのに?」

「そうかもしれないけど、まずは言葉にすることが大事じゃん?」

……まぁ、確かにそれはそうかもしれない。

どこか行きたいところ。どこだろう。

しばらく考えて、

「あ……」

一つ思いついて、陽太くんを見つめた。

「何か思いついた?」

「うん。……映画館に行きたい」

「映画館?」

「うん。わたし、小さいころは毎年映画館に見に行ってて。ポップコーン食べるのが楽しみだったの」

当時大人気だった、ヒーローみたいに変身した女の子たちが戦うアニメ映画。

幼稚園のころなんて、わたしもその衣装を着て映画館に行ったっけ。

あのころはこんな未来が待ってるなんて想像もしていなくて、ただ毎日が楽しかったのを思い出す。