約束を超えた先で、君を待つ。

それから一ヶ月が経過した、十月の終わり。

季節は秋を超え、もうすぐ冬がやってこようとしている。

「すっかり秋景色だね」

「だな。外もだいぶ寒くなってきたよ」

「ついこの間まで暑い暑いって言ってたのに。あっという間に冬だね」

「今年は雪とか降るかなー!」

うんと背伸びをする陽太くんは、今日は小説を返しにきてくれたらしい。

「これ、めちゃくちゃ面白かった!」

「よかった。陽太くんが気に入るかどうか、実は少し不安だったの」

「実は俺も。小説って普段読まないから新鮮だったよ」

どこが面白かったとか、続きが気になるとか、主人公のその後を想像したりとか。

マンガの話も面白いけれど、小説の話を二人でするのも面白い。人それぞれの考えや解釈を聞けるのは嬉しいことだった。

「実はね、この続きがあるんだけど読む?」

「マジ!? 読む!」

「ふふっ、はい」

「ありがとう! うわ、すっげぇ楽しみ!」

ぱあっと表情を明るくした陽太くんは、嬉しそうにまた小説を鞄にしまう。

「やばい、早く読みたいかも!」

「じゃあ今ここで少し読んだら?」

「え、いいのか?」

「もちろん。続きが気になる気持ち、わたしもよく知ってるから」

頷くと、もう一度小説を出してわたしの目の前で読み始めた。