約束を超えた先で、君を待つ。

それからというもの、陽太くんは夏休みが終わっても毎日のようにわたしの元へ来てくれた。

松葉杖が取れたからか、どこに行くにも足取りが軽く楽しくて仕方ないらしい。

「もう、またケガするんじゃない?」

「まっさか。これでもちゃんと気を付けてんだから」

「どうやって?」

「とりあえず、人を助ける時は自分が危なくないか確認してからとか。もう松葉杖はごめんだからな」

「なるほど」

自称不幸体質の陽太くんは、どうやら人助けをしているうちに事故にあったりケガをしてしまったりするらしく。今日もちゃっかり道で困っているおばあちゃんを助けてきたんだとか。

陽太くんなりにいろいろ考えながらやっているらしい。

「俺さ、月音と初めて会った日より前は、こんなに人のために動こうとか考えたこともなかったんだ」

「じゃあ、なんで?」

「……俺、妹がいてさ」

「妹?」

こくりと頷く陽太くんは、ぽつりぽつりと話し出した。

「俺の妹、人一倍正義感が強くて。友だちがいじめられてたりしたら率先して助けに行くタイプだし、なんていうか……考えるよりも身体が勝手に動いちゃうタイプなんだよ」

「へぇ……」

「それで、俺が今してるような、困ってる人を助けるとか、手を貸すとか。そういうの、妹が毎日のようにしてたんだけど。ある時、それが原因で大ケガしちまって」

「大ケガ!?」

「そう。うちの妹身体が小さいから、近所のおじさんを助けた時にバランス崩して倒れてきて、その下敷きになってさ」

陽太くんの表情はすごく苦しそうで、相当ひどいケガだったのだとわかる。