約束を超えた先で、君を待つ。

***

「――……っ」

目を開けると、照明が眩しくて眉をひそめた。

天井にあるシミを見て、あぁ、戻ってきたんだと息を吐く。

嬉しいのか、悲しいのか。それはよくわからない。あの夢が本物だったらよかったのにと思う反面、あんな世界は違うと思う自分もいて。

もしかしたらまだ混乱しているのかもしれない。まだ頭がぼーっとしているのかもしれない。

何度かまばたきを繰り返して、ようやくはっきりと目を開くことができた。

「……? 月音? 月音!?」

隣から急に声が聞こえて、慌ててナースコールを押す音が聞こえる。

「月音! 聞こえるか!? わかるか!?」

「……よ、うたくん……?」

「良かった……! 本当によかった……!」

横を向くと、丸椅子から崩れ落ちるようにわたしの身体にすがりつき、目に涙を溜めている陽太くんがいた。

「……ほんものの陽太くんだ」

「本物に決まってんだろっ、こんな時までふざけてんじゃねーよ……!」

とうとう泣き始めてしまった陽太くんを見て、わたしは少し笑う。そうしたら

「何笑ってんだよ」

とわたしの身体を布団の上から軽く叩いてきて、また笑ってしまった。