約束を超えた先で、君を待つ。

「ごめん、間違って連写しちゃった」

申し訳なさそうに山本さんが陽太くんのスマホを返してくれて、二人で寄り添うように画面を覗き込む。

「ははっ! 山本さん下手くそ!」

「ふふっ、陽太くん半目なんだけど」

十枚ほど撮られた写真は、陽太くんが半目だったり花火が写っていなかったり、明るすぎてわたしたちの顔が光っていたりと面白い。

「ごめんって! もう一回撮る!?」

「いーや、こっちのはいい感じだからオッケー! 山本さんありがとう!」

「ありがとう山本さん」

一枚だけあった、二人が正面を向いて笑顔で写っている写真。花火は少しだけしか写っていないけれど、陽太くんもわたしも満足する一枚だった。

「……わたし、こんな顔してたんだ」

「最近はいつもこうやって笑ってるよ」

「そう? 全然知らなかった」

痩せこけて、ひどい顔だと思う。だけど、ここに写っているわたしは確かに嬉しそうに笑っていて。

楽しいんだろうなと一目でわかる笑顔に、心もほぐれる。

「陽太くん、その写真あとで送ってね」

「もちろん。一緒に待ち受けにでもしちゃう?」

「やだよ待ち受けなんて。でも定期的に見ちゃうかも」

「俺も。なんか気に入ったよこの写真。嬉しいな」

気が付けば花火そっちのけで写真を見てしまっていて、いつのまにかフィナーレが近付いているよう。