約束を超えた先で、君を待つ。

「どうしたの?」

「……月音の顔色見ておこうと思って」

「え?」

「だって月音、具合悪くなっても言わなそうだから。俺がちゃんと見てないとすぐ無理しそうじゃん」

「それは……」

確かにその通りで、何も言えなくなる。

だって、すごく楽しみにしていたんだもん。花火が始まってもし具合が悪くなっても、言えるわけないじゃん。先生にも山本さんにもきつく言われているけれど、陽太くんの言う通り何も言わない気がする。せっかくの楽しい気持ちを台無しにしたくないし、陽太くんに迷惑かけたくもないし。

「なぁ月音」

「ん?」

「俺、月音と花火見たいのは本当だけど、月音に無理させてまで見たいわけじゃないからな。それだけ覚えとけよ」

「……うん」

返事をすると、

「よし! じゃあそろそろ準備するか!」

嬉しそうに笑って立ち上がる。

わたしも立ち上がり、陽太くんに支えられながら中庭に向かった。