約束を超えた先で、君を待つ。

「でもそっか。月音がハマってくれて嬉しいよ」

「うん。それで、続きは無いの?」

「まだ発売されてないよ。あともう少しで完結らしいから、買ったらすぐに持ってくるな」

「うん。楽しみにしてる」

今まで小説はよく読んでいたけど、マンガは集めるのも大変だから買っていなかった。だけど、こんなに面白いものだとは思わなくて驚いた。

陽太くんが教えてくれなかったら、知らないままだったかもしれない。

マンガの他にも、ゲームやスマホのアプリもたくさん教えてくれて。

陽太くんは、わたしの知らない世界をたくさん見せてくれる。"楽しい"を。"面白い"を。たくさん、教えてくれる。

今さらだったけれど、連絡先も交換したため陽太くんが帰った後や朝もメッセージでやりとりするようになった。

"おはよ。体調どう?"

毎朝そう送られてきて、わたしが

"おはよう。起き上がるのしんどい"

と送ると、ベッドの中でできるようなスマホのゲームを提案してくれたり面会をやめたりしてくれる。

元気だと送れば、中庭に行ったり院内を散歩してみたり。わたしの体調を見ながらいろいろ考えてくれているらしい。
わたしのことなんて気にしないで友達と遊びに行けばいいのに。何度かそう送ったけれど、

"それが友達はみんなサッカーとかバスケばっかりしてて、俺参加できねーんだよ。だから月音と遊んでる方が楽しい"

そう返事が来てしまえば何も言えない。

気を遣っているだけなのか、本当にそう思ってくれているのかはわからないけれど、今は素直にその言葉を受け取ろうと思っている。

だって、その方がわたしも楽しいから。